2024 年 61 巻 12 号 p. 1141-1147
希少難治性神経・筋疾患に対する核酸医薬品や遺伝子治療技術などの革新的な治療法が開発・承認され,その有効性ならびに安全性が報告されるようになった.これらの治療法は,これまで対症療法しか行うことのできなかった希少難治性神経・筋疾患を根本的に治療し得る方法として注目され,その開発は現在も世界中でめざましい発展を遂げている.これに伴い,進行する神経・筋症状に対し,限定的にしか行うことのできなかったリハビリテーション治療のあり方についてもアップデートしていく必要がある.本稿では,希少難治性神経・筋疾患に対する核酸医薬品および遺伝子治療技術について,その作用機序ならびに特徴,最新の開発例について概説する.