2024 年 61 巻 12 号 p. 1148-1154
神経筋疾患においては,各種新規治療薬の導入により,これまで進行の予防の観点でのみ行っていたリハビリテーション治療が,機能を向上・改善できる医療を提供できる可能性が出てきた.しかしながら,本邦においては,ドラッグラグ・ロスの影響により身体機能評価のエビデンスや症例数の確保の問題などから,神経筋疾患に対するリハビリテーション治療の発展は十分ではない.実際,多くのエビデンスは海外からの流入に過ぎず,本邦からのエビデンスの発出が不十分である.ドラッグラグ・ロスの解消について,われわれリハビリテーション科もその一助になるように,身体機能評価やリハビリテーション治療のエビデンス確立などを通じて研究に努める必要がある.